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Rie fu「Temple Recordings」セルフライナーノーツ

2020.11.28

Rie fu本人によるセルフライナーノーツ
配信概要はこちら→Rie fu「Temple Recordings」
12月6日(日)23:59まで配信中


Soredake – お寺でライブができることになり、仏教の本を読んでいた時、『欲は満たされてもまた新たな欲が生まれ、止まることがない』というような一文を読んで、ふとこの曲の歌詞を思い出した。まっさらな心になれる一曲。

Because of You – 『あなたのおかげ』。そう始まる歌なら、支えてくれる人々を想像するはず。しかしこの曲では真逆で、『あなた』とは、今まで受けた批判、偏見、見下すような意見。『できっこない』と言われると余計にやる気に火がつくタイプなので、今まで達成できたことは、屈辱的な体験が元になっていることが多い。逆境でこそ前に進もう、という応援歌。

Blackbird – 歌い出しは、ため息のイメージ。季節に合わせて優雅に生きていく鳥の歌。厳しい冬も長閑な春も、ずっと歌い続ける、したたかでたくましい姿。

You’ll Never Change – 夫婦喧嘩がきっかけでできた曲。頑固に意見を変えようとしない相手に対して『あなたは決して変わらない』という諦めと悟りの狭間で、変わって欲しい部分よりも、その分良い面を大切にしていこう、という前向きな歌でもある。

Winter Morning – イギリス・サリー州の可愛らしい田舎町。冬になると粉砂糖のように野原に霜がおりて、木々の枝がグレーの空に伸びる。築500年の家に、小包が届く。1月の誕生日は電車でロンドンの屋外スケートリンクに行く… ある冬の日常を切り取った一曲。


The Writer – 小説のアイデアをあたためていながら、何年も筆が進まない小説家と、その頭の中で展開される物語。二部構成になっており、1番はその小説の物語、2番は小説家自身のことを物語っている。

Bridge of Time – 大学院で通訳の勉強をしていた時、鎖国時代の長崎の通詞のことを知った。彼らは訳すだけでなく、その内容についても研究し、当時の弾圧を乗り越えて日本の近代化を切り開いた。百年以上経ち、彼らの思い描いた夢が、海と時代を超えて叶ったという感動を歌にした。

The Temple – 祖母は東京の大空襲で、増上寺が燃えているのを見たという。先日その増上寺を訪れたとき、祖母や先祖の経験があるからこそ今の自分がいることを実感し、人や場所の歴史が受け継がれていることを曲にした。最後の歌詞『このお寺では 魂が山で生き続ける』
は、実際にこの曲を録音した軽井沢のお寺のことを歌詞にした。

【公演概要】
Rie fu ニューアルバム・レコーディング・ライブ “Temple Recordings”
視聴期間:11月27日(金)20:00〜12月6日(日)23:59
<チケット>
視聴のみ:3,500円
ライブ音源ダウンロード付き:4,800円
【チケット購入URL】https://eplus.jp/riefu-st/
【チケット販売期間】11月20日(金)15:00~12月6日(日)21:00まで
e+ (イープラス)にて販売開始

Rie fu(りえふぅ)

シンガーソングライター・油彩画家・翻訳家
日本語と英語がミックスされた歌詞や、カーペンターズに影響を受けた歌声が特徴。幼少期をアメリカで過ごし、現地で賛美歌などに触れた事がきっかけで歌に興味を持ち始める。
2004年デビューと同時にロンドンのセントラル・セント・マーチン芸術大学絵画を学び、アルバムアートワークを描く等、アートと音楽を繋げる活動を続けている。ものづくりの過程が垣間みられる工事現場をテーマとした絵画も描く。
日本国内だけでなく、アジアツアー開催など活動の拠点を広げ、2016年からはイギリスでの音楽活動をスタート。
2018年、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン大学院にてSpecialized Translation(専門分野翻訳)MSc修士号を取得。
「音楽、アート、英語教育」をテーマに、アメリカ、シンガポール、イギリスに住んできた海外経験や、自らの音楽体験を織り交ぜ、唯一無二の活動を展開。

Rie fu オフィシャルサイト :https://riefu.com

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