【短期集中連載コラム】『中津川ソーラー』ってどんなフェス? 初参加でも安心の基礎情報まとめ
2023.07.29
9月23日(土)・24日(日)の2日間、岐阜県中津川公園内特設ステージで開催される『中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2023』(以下、中津川ソーラー)。先日、その出演アーティストが出揃うなど、いよいよ本番までのカウントダウンという時期に差し掛かってきた。
『中津川ソーラー』には2016年から毎年参加している。配信とのハイブリッドとなった2020年と2021年も、収録現場には足を運んだ。その中で、ライブを観るだけでなくキャンプをしてみたり、ワークショップに参加したりと、隅から隅まで楽しんできた自負がある。しかも。メインの肩書きは音楽ライターなのに、『中津川ソーラー』に関しては所謂ライブレポを書いたことはなく、毎回「普通に楽しんで感想を書く」というミッションをいただいているだけだから、目線としてはほぼリスナー・参加者と変わりない。
そんな筆者に「本番へ向けコラムを何本か書きませんか」という話が来た。その気になればディープな話も全然できる。でも、その内容で喜んでくれるタイプの方はもう既に参加が決定しているだろうから、ここはひとつ常連参加者の代表として、せっかくならこれまで参加したことがない人に向け、まずは「どんなフェスなんだっけ」という基本の部分からあらためて書き記しておきたい。
まず名前に「SOLAR」と入っている事実が表すように、『中津川ソーラー』は太陽光発電で運営されているフェスである。ライブを行うためには照明や音響をはじめ、ステージ周りだけでも多くの電力が必要となるわけだが、その全てを場内至る所に置かれた太陽光パネルから蓄電池を経由して各機材等に送ることでまかなっている。そのほか、会場運営に関わる電力についても太陽光発電をはじめとした100%再生可能エネルギーを使用。他に類を見ないほどエコロジーなフェスと言える。なお、「BUDOKAN」の部分については、2012年に、前年に起こった東日本大震災とそれに起因する原発事故を受け、日本武道館で開催された初回から引き継がれた名称で、翌2013年からは中津川に場所を移して回を重ねている。
中津川で行われるようになって10年を超え(配信の年はあったが)、『中津川ソーラー』は、もはや地元ではほとんどの人が知っている一大フェスとなった。遠方に在住の方であってもライブ好きならその名前くらいはどこかで目にしている率も高そうだけれど、筆者の住む東京では同業者と話していても「知っているけど行ったことはない」「行ってみたいとは思ってるんだけど…」というようなリアクションが主である。その要因の多くは「遠いのでは?」というイメージによる気がするのだが、実際のところ、アクセスはどうだろうか。
まず、岐阜県はかなり大きい県であり、その中でどこに位置するかによって生活圏も違ってくるのだが、中津川の位置はというと東濃エリア、南東の端の方。長野県との県境に近いものの、最寄りの大都市は名古屋。名古屋からは電車だと特急で50分くらいだ。東京or品川から新幹線で名古屋までおよそ1時間半(のぞみ号)なので、乗り継ぎの良い列車をチョイスすれば、2時間半程度で中津川駅までは着く。そこから5分ほど歩いた場所から出ている会場行きのシャトルバスに乗れば15分くらいの道のりである。そう考えると、たとえば都内から新幹線+シャトルバスで『フジロック』へ行くのとそう変わらない。フジロックは到着してからゲートまで、そして各ステージまでにかなり歩くから、トータルの所要時間はほぼ同じではないだろうか。
大阪からだと新幹線に乗る時間ぶん、より短時間で着く。また、時間的にはのんびり小旅行感覚にはなるものの、長野駅からも特急で一本だから、中部地方や北関東、北陸方面からの参加も射程内と言えるだろう。ただ、本番日は増発するとはいえ、名古屋⇔中津川の電車の本数はそこまで多くはない点と、遅い時間まで楽しむとその日中に名古屋から先へは帰れない可能性が高い点にはご注意を。なお、車で参加する場合は中央自動車道の中津川ICで降りればすぐ会場である。
次にフェスの環境面について。まず、野外フェスであり、テント形式のステージなどもないので、雨対策の用意はしておいた方が無難だ。ただし、異様なほどの”晴れフェス”であり、まともな雨量が降ったのは昨年・2022年くらいではある。また、地図で見ると山間部にも思えるが、盆地の中の丘陵地帯というイメージなので、9月後半という開催時期においては、ウインドブレーカー程度があれば寒さを感じることはあまりないと思われる。むしろ、だいぶ暑くなるケースが多く、個人的にはシーズン最後の夏フェスと捉えているくらいだ。
会場設計はかなりコンパクトな方で、各ステージ間の移動は楽。ボトルネックとなる箇所も少ないので、ストレスを感じることはほぼないだろう。メインステージのエリアなど、後方に腰を落ち着けるスペースが確保できる場所も多いので、「のんびり観たい」層にはとても嬉しい。普段は運動公園なので足元もよく整備されており、芝生エリアは水捌けも抜群。一部、土の露出した場所については昨年の大雨時に沼地と化してしまったので、もし今年の天気予報が芳しくなければ、長靴などもあった方が良いかもしれない。
会場全体が山の斜面に沿っており、その中でいくつかの平面となっている場所に各ステージが点在しており、その一番上にはキャンプサイトがある。原っぱのような場所ではなく、普段はグラウンドなので「自然に包まれている!」感は薄い代わりに、傾斜がなく地盤も安定しているから快適そのもの。キャンプビギナーにも優しい。そこから少し山を降りれば、夜間もキャンパー向けのライブや飲食を楽しめる設計となっている。キャンプ付きチケットには限りがあり、例年早めに売り切れるので、遠方から参加の方や2日間みっちり楽しみたい方には早めの確保をお勧めしたい。地域柄、ホテルなどは多くなく、開催期間中に押さえるのは困難を極めるため、泊まりならキャンプ、もしくは名古屋あたりまで引き返しての宿泊が前提となる。
さて、『中津川ソーラー』とはどんなフェスで、どこでやっていて、どうやって行けばいいのか。どんな格好と準備が必要なのかについて、なんとなく伝わっただろうか。基本的な部分を触れただけで、だいぶボリュームが出てしまったので、より詳細に突っ込んだ内容についてはまたあらためて書きたい。
どのフェスにも、一度行ってみないとわからない現場ごとの空気というものが存在する。個人的には、『中津川ソーラー』のその空気こそが一番の魅力であり知ってほしいところでもあるので、このコラムを読んでしまった機会に、ぜひ参加を検討していただけると嬉しい。また、ライブステージのアクト以外にもコラボやキャンパー向けのステージなど、今後も追加発表があると思われるので、そちらのチェックもお忘れなく。
文=風間大洋
中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2023
日 程:2023年9月23日(土)・24日(日)開場:10:00 / 開演:11:00 (予定)
会 場:岐阜県中津川公園内特設ステージ(岐阜県中津川市茄子川1683-797)出 演:
9月23日(土)
androp / BREIMEN / Caravan(NEW) / 地球三兄弟(YO-KING / 桜井秀俊 / 奥田民生) / DURAN / HEY-SMITH / HY / 韻シスト(NEW) / いとうせいこう is the poet(NEW) / JUN SKY WALKER(S) / 清春 / Major in Body Bear (from台湾)(NEW) / NakamuraEmi / OAU(NEW) / PLECTRUM(NEW) / ROCKIN’ QUARTET(大木伸夫/ホリエアツシ/村松拓/TOSHI-LOW/内澤崇仁)(NEW) / ROCK’N’ROLL GYPSIES(花田裕之 / 下山淳 / 池畑潤二 / 市川勝也) / SOIL&“PIMP”SESSIONS / 10-FEET / 打首獄門同好会 / うじきつよし(NEW) / ヤバイTシャツ屋さん9月24日(日)
シアターブルック / ACIDMAN / a flood of circle / the band apart / ComplianS+Afro Begue(佐藤タイジ、KenKen、Omar Gaindefall、津田悠佑、佐々木俊之、Naoto)(NEW) / FIVE NEW OLD / FLYING KIDS(NEW) / GLIM SPANKY / 吉川晃司 / 木村カエラ(NEW) / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS(NEW) / NONA REEVES / Nothing’s Carved In Stone / Nulbarich / 奥田民生 / Omoinotake / Original Love / リーガルリリー(NEW) / サンボマスター / ストレイテナー / 土岐麻子 feat. 堀込泰行 / うじきつよし(NEW)チケット:
<券種・料金>
2日通し入場券 15,900円
9月23日(土) 入場券 9,800円
9月24日(日) 入場券 9,800円
プレミアムキャンプ付き 2日通し入場券(場内駐車場付き) 28,900円予定枚数終了
キャンプ付き 2日通し入場券(場内駐車場なし) 22,900円
プレミアムキャンプ券(場内駐車場付き) 13,000円予定枚数終了
キャンプ券(場内駐車場なし) 7,000円場外駐車場付き2日通し入場券 20,900円
場外駐車場付き9月23日(土)入場券 13,300円
場外駐車場付き9月24日(日)入場券 13,300円場外駐車場 2日通し券 5,000円
場外駐車場 9月23日(土)券 3,500円
場外駐車場 9月24日(日)券 3,500円<チケット発売日>
7月29日(土) 10:00〜 各プレイガイドでチケット一般発売開始
チケット詳細:http://solarbudokan.com/2023/ticket/sale/
*キャンプ券・駐車場券はイープラスのみ受付<オフィシャルバスツアー「名古屋〜中津川」>
詳細・受付:http://solarbudokan.com/2023/access/tour/